浦添美術館の裏手に古くからある沖縄そば屋。広々とした店内には、カウンター席・テーブル席・座敷席があり、仕事の合間に立ち寄る人から、子供連れのファミリーまで、地元の支持も厚い店だ。普通麺・よもぎ麺・黒米麺と、3種の自家製麺で提供する創作オリジナルそばもさまざまで、「お客さんも自分も飽きないように、よそでは食べられないメニューの開発にも力を入れているさ。おかげでメニューがどんどん増えて、毎朝7時から仕込みよ～(笑)」と、ご主人の飽くなき探究心に頭が下がる思いである。が、やはり、ここはオーソドックスなそばを注文してみることに。

箸でくずれるほどトロトロに煮込まれたあっさり味の豚あばら肉がのった「ソーキそば(中)」。トンコツベースのスープは見た目よりもすっきりとした味わいで臭みもない。中細で透明感のあるコシあり麺は、スープ・ソーキとのバランスも絶妙。好みでよもぎ麺に変更することもできるそうだ。

「西表島産の黒米粉を使い、もっちりとした食感がおいしいよ～」と言う自慢の「冷やし黒米トロロそば(中)」も、せっかくなので食べてみた。黒米の独特の風味が日本そばを彷彿とさせ、モチモチした食感と相まって、確かにオリジナルな味わい。醤油ダレとトロロを絡めて、夏にもツルッといただけるメニューだ。そのほか、田芋の茎や葉を使った『ムジそば』や、マーボ風・タコス風の『トーフそば』に『納豆そば』まで、沖縄そばミラクルワールドに迷い込んでみるのも、この店を訪れる醍醐味と言えよう。