レコード1200枚。
グラス片手に一人の時間を愉しむ

浦添市港川の、国道58号から100メートルほど路地を入った場所にたたずむミュージックバー。アナログレコードの良質な音楽が流れるオーセンティックな雰囲気は、”大人の隠れ家”と呼ぶのにぴったり。未成年の入店はお断り。え、当たり前？いやいや、心の年齢のお話です…

カウンター越しの棚には、約1200枚のLPレコードがぎっしりと並ぶ。音楽のジャンルは60年代から80年代のポップスを中心に、ロック、フォーク、ジャズと幅広い。「ほとんどすべてのレコードは、私が中学生の頃から趣味で集めてきたものです。棚に入りきらず、自宅に眠っているものもまだたくさんあるんですよ」とはマスターの大舛勝彦さん。ゲストの中には、懐かしのメロディーに感極まって、ひとり涙にくれる人もいるそうだ。

音質にもこだわりがある。店の両脇に備わるのは、1977年に発売されたフロア型スピーカーシステムYAMAHA FX-1。大舛さん曰く、「日本を代表する楽器メーカーのヤマハが総力を結集して、海外向けに製造したモデルです」とのこと。本来は大型ホールで使うような高性能システムで、スピーカー目当てに訪れる音楽通も多いという。

店がオープンしたのは2010年。「仕事帰りに一杯だけでも、好きな音楽を聴きながら、ゆっくりくつろげるバーがあればいいのに」と常々考えていた大舛さんは、定年後に自らの手で、その思いを実現させた。取材日に同席してくれた奥さまは、「現役時代より今のほうが、生き生きしているようですよ」とちょっぴり苦笑い。一見敷居が高く、品格を漂わせながらも不思議と和みやすい雰囲気は、そんな大舛さんの心の余裕から生まれてくるのだろう。

ドリンクの種類もレコード同様、多彩なジャンルをそろえる。ビール（600円）、カクテル（600円〜）、ワイン（800円〜）、ウイスキーはブレンディッド（500円〜）、バーボン（500円〜）、モルト（700円〜）、ジャパニーズ（700円〜）など。フードは「ミックスピザ（800円）」、「チーズ盛り合わせ（1200円）」など軽食が中心。予算に合わせて貸切パーティーの利用も受け付けている。

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