夫婦協同で作る 手づくりプリンとチーズケーキ

「うちは自宅でやっている小さい店ですが、いいんですか？」。取材日程の調整のときも当日も、このセリフが何度も出るオーナーの下地秀樹さん。「いや～、そういう誰も知らない店のほうがディープ感があっていいです」と答えるうらナビチーム。イベントなどでの出店をメインに、手づくりのチーズケーキとプリンが口コミで評判を集める「手づくりお菓子 日々草」のキッチンにお邪魔してきました。

実は当日のカメラマンの実家がここから徒歩数分。この看板がずっと気になっていたそう。看板の目の前をすぐ入ったところが、下地さんの自宅兼工房になっています。

こんにちは～。この普通のおうち感覚がたまりません。妙に落ちつきます。店名の意味はなんですか？「年中咲いている花なんです。店がずっと続くように枯れないようにとつけました」。なるほど。素朴でまじめな感じでぴったりですね。

あ、息子さんですか。どうもおじゃましています。これから出勤だという次男の龍矢さん。せっかくだから家族で記念撮影しましょう。

スイーツの指揮をとるのは、奥さんの啓子さん。旦那さんの秀樹さんは、イベント出店等の営業担当。さらにスイーツの下ごしらえや当日の売り子などなんでもします。あ、言い忘れましたが、こちらでは自宅で常時販売はしていません。8割がイベント出店、２割が注文だそうです。

週末は毎週のように、各地のイベントに出店しています。平日は週末のお菓子の仕込みに忙しく毎日がフル稼働。「ファーマーズマーケットいとまん うまんちゅ市場」での出店も多いそう。今帰仁や名護の桜まつり、花と食の～フェスティバル、浦添物産展など予定がぎっしりです。

出店に出すメニューは、プリンとケーキ類。プリンは基本のカスタード（200円）、黒ごま、かぼちゃ、桑入り黒糖（各250円）の４種。ケーキは濃厚、紅芋、黄金芋のチーズケーキ、ガトーショコラ（各250円）、杏仁豆腐（350円）です。

パックで２個入り（450円）や、４個入り（950円）で販売しています。

もともと趣味でお菓子作りをしていた啓子さん。周りの人に、「これなら販売できるんじゃない？」とお墨付きをもらい、北谷のフリーマーケットで売り始めました。最初は保健所の営業許可とかもよくわからず、友人や知人にとても助けられたそう。8年ほど前から本格的に営業をスタートしました。

毎年行くイベントにくるお客さんから「またきたよ」、「待ってたよ」と言われたり、「おいしかった」、「知り合いからおいしいって聞いたから」と言われたり、お客さんとのやりとりが何より楽しいと語る秀樹さん。以前は建築関係の仕事でしたが、体調をくずして仕事を辞めたのだそう。そのうえで奥さんの啓子さんのサポート役としていっしょにお菓子作りの販売を始め、新しいやりがいや手ごたえを感じる日々を過ごしています。

2015年11月に行われた第４回桑っちーグランプリでは、なんと初参加で準グランプリを受賞するという快挙も。

これが準グランプリの「桑の葉とアボカドのチーズケーキ」です。

この日は下ごしらえをしていた秀樹さん。美容と健康によいアボガドたっぷりでアーモンドと桑の葉とのバランスも絶妙です。

秀樹さん、（普段は言わないそうですが）実は努力家の啓子さんをかなり評価しています。「野球でもそうですが、上手な人を真似しようとした人がうまくなります。妻は、ケーキ屋に勤めた経験も全くない素人ですが、発想やひらめきがすごい。好きな人は上手になるんですよね」。

対する啓子さんは、「主人はこういいますが、私自身は、何度も失敗しているおっちょこちょいです。ただ、失敗は成功の元と言い聞かせてやっています」。「桑っちーグランプリも前から聞いていたんですが、作らなければと意気込みすぎるとできない。あ、これならいけそうだなと思いついて、そのまま作り始めたのがこれです」。謙遜しつつもやはり、ひらめきの人のようです。

なんだかんだと仲のいいお二人。休日は食事に行ったり、他の店のスイーツを食べに行ったり（←スパイ活動と称するお茶目な秀樹さん）。浦添市はお菓子屋さんも多く、スイーツの街だから素朴なお菓子が恥ずかしいという啓子さんに、「お前の色でいい。この味を求めてくれるお客さんが買ってくれたらそれでいいんだ」と秀樹さん…。他の誰よりも、啓子さんのスイーツのファンであることを感じさせてくれました。

DATA

店名	手づくりお菓子 日々草 （てづくりおかし にちにちそう）
問い合わせ先	098-877-8001 090-3792-8674
住所	浦添市仲西1-16-3
営業時間	電話可能時間は 10：00～20：00くらいまで
駐車場	あり
平均予算	500円
支払い	現金のみ