公開日 2016年11月29日 09時05分
こんにちは!琉球大学工学部チームです。
今回は、浦添市てだこホールの取材に行って参りました。
浦添カルチャーパークに位置する、てだこホールは大人子供たちで賑わっており、至る所で楽しそうな声が響いていました。
施設内を、てだこホール総務企画課の山口様に、ご案内して頂きました。
※舞台裏は事故防止のため、一般の方は立ち入ることは出来ませんが、今回は特別に許可を頂いて、案内して頂きました。
まず、大ホールからご案内して頂きました。
当日、大ホールは使用されておらず、舞台の機材が見え隠れしており、静けさの中、取材が始まりました。
ハートビル法(正式名称「高齢者・身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」)に基づき、大ホールも、様々なバリアフリーが設けられています。
例えば、座席を取り外して、車椅子の方が利用できるようになっています。
座席は、親子席・車椅子用の席を含め、全部で1001席設けられています。
大ホール1Fの平面図は以下の図面になります。
(参考資料:浦添市てだこホール 資料頁より)
そのうちオーケストラピットの座席は、他の座席とは異なり、オーケストラスペースに変化できるよう、可動式になっています。
舞台から、天井・2F座席を見た写真です。
壁や天井には、音が真っ直ぐに返らないよう、凸凹にデザインされていました。
てだこホールは多目的ホールなので、クラシック音楽専用のコンサートホールに比べ、残響時間が短いそうです。
この後、天井裏を視察しますが、そこには驚きの光景が………!それに関しては、後ほど…。
続いて、舞台裏を見せて頂きました。
平面図では、名称の書かれていない、照明やオーディオ機器が置かれている部屋や、舞台上部の見学をしました。
以下の平面図のピンク色で塗られたスペースでは、舞台を照らす重要な役割を持つ照明器具が設置されていました。
(参考資料:浦添市てだこホール 資料頁より)
山口さんが持っているのは、照明に使われる色付きのフィルターです。これを用いて、照明の色を変化させるそうです。
2Fの舞台裏へ続く階段口の高さは低く、155㎝以上の身長では、屈まずに通るのは厳しそうです…!
どんどん上っていきます!
ホールの2F席へ参りました。(ルートはピンクの矢印です)
(参考資料:浦添市てだこホール 資料頁より)
2F席は、子供が落ちないよう、既存の手すりに加え、ワイヤーの手すりが施されています。
以前は白いロープだったそうですが、座席に座った際、視界に入るため、ワイヤーにすることで視界を良好にさせています。
さらに、上っていきます。
4F以上の平面図がないため、写真でご紹介します。
以下は舞台上部の写真です。床は天井から吊られた、黒い柱で支えられており、歩く度に僅かに振動を感じます。
高所が苦手な方は要注意かもしれません……!
舞台上部には、以下の図面で表されている通り、10以上の様々なスクリーンや幕等が吊られています。
(参考資料:浦添市てだこホール 資料頁より)
舞台上部から舞台を見下ろした写真です。かなり高いです。
さらに上って参ります。
上階にある照明等の管理室へ向かう通路は、設備が剥き出しになっており、天井が吊られている状態を窺うことが出来ます。
通路を通って、下の写真でピンクで囲まれた部屋にきました。
ここではコントロール室と連携して、照明の舞台技術者がピンスポットライトを操作する部屋です。
強化ガラス越しに、大ホールを見渡すことができます。こんなに高いところまでやってきました…!!
この部屋では、舞台が行われている際は、部屋の電気は使用されず、手元が見える仄かな照明のみ使用されるそうです。
照明機材はとても大きいですが、女性でも扱えるように、軽い力で操作することができます。
さらに階段を上ると、照明が沢山置かれた(以下の写真でピンクで囲われた)スペースに辿り着きました。
先程の部屋のように強化ガラスで仕切られてはおらず、大ホールの空気を体感することができます。
しかし、照明で生じる熱のため、冷房を20℃に設定しても、このスペースは常に熱くなってしまうそうです。
\ふむふむ~~~/
照明の隙間から大ホールを覗くと、このような光景を見ることが出来ます。
まるで舞台を真上から見ているようです…!
また、上階には、機材管理室もあります。
ここでは、機材を常に正常に作動することを保つため、冷房で一定の気温と湿度を保つようにしているそうです。
特に沖縄では、夏の気温と湿度は、機材に大きく影響を与えるそうです。
一番上の階のスペースは、舞台で使用される幕を吊っているワイヤーが、至る所に設置されています。
舞台関係者のみ、立ち入ることができます。
足元を見ると、すのこの間から舞台を窺うことができます。
足がすくんでしまいそうになる中、ゆっくりとメモや写真を撮っていきました。
高さは一般の建物の約7階に相当する高さです。た、高い……!
さて、天井裏の驚きの空間のお話に戻ります。
以下はまるでSFの世界に来たような写真ですが、これは実は大ホールの天井裏です。
屋根から吊られた石膏ボードの上に、黄色のグラスウール(断熱・吸音の役割を持つ)が敷き詰められています。
最上階に来たところで、今度は地下へと降ります。
地下の平面図は以下の通りになります。
(参考資料:浦添市てだこホール 資料頁より)
まず①にある扉からは、オーケストラピットに繋がっています。
ステージを広げる際には、この扉から、可動式の椅子を運ぶようです。
オーケストラピットの真下は、写真のようになっており、機械でオーケストラピット(油圧式)が上下するのが分かります。
②の舞台下部スペースは、舞台の機材や道具が沢山置いてあります。
天井は高く、約4mもあります。
龍柱も置いてありました!
こちらは、ひな壇を上下させるスペースです。こちらも油圧式で稼働するそうです。
てだこ大ホールでは、この様な「迫り」の機構でステージを昇降することができる設備が施されています。
さてさて、1Fへ戻って参りました。
続いて楽屋です。
楽屋は大部屋から小部屋、ラウンジ等、様々な様式が用意されています。
各部屋に必ず一つ、洗面台があり、出演者が心地よく過ごせるようになっていました。
一通り見回ったので、一度外へ出ました。
ここで、質問です。
ゴヤ・フリオさん(作家紹介ページこちら!)という芸術家が、手をかけてくださった所があります。
それはどこでしょう?
正解は…
こちらです!!
大ホールの壁に彫られたシーサーです!
絡まるような鉄も、実は溶接しているらしく、近くで見るとその様子がよく分かります。
ユーモア溢れるデザインは、訪れる人の関心を惹いていきます。
そのシーサーが見られる広場へ続く階段には、階段とスロープをかけ合わせた、段差があります。
ここでは、写真の左端の円のウッドデッキをステージにして、段差に座るという、屋外のステージの役割もあるそうです。
今日は、市民交流室にてスイーツフェスタも行われていました。
沢山のお客さんで賑わっており、美味しそうな香りが、あらゆるところから流れてきます。
みなさん美味しそうに食べて、楽しそうにお話していました!
案内して頂いた、山口様、およびてだこホール関係者様、此度は本当にありがとうございました。
みなさんも、是非、てだこホールに足を運んでみてくださいね!
長くなりましたが、ここまでお読み下さりありがとうございました!
施設名 | 浦添市てだこホール |
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電話番号 |
TEL 098-942-4360 FAX 098-942-4338 |
住所 |
〒901-2103 沖縄県浦添市仲間1丁目9−3 |
開館時間 |
午前9時~午後10時まで (受付時間:平日午前9時~午後5時) |
休館日 |
毎月第2・4月曜(※当日が祝祭日の場合は、翌日が休館) 年末年始の12月29日~翌年1月3日 ※臨時休館有 |
駐車場 |
浦添市てだこホール専用の駐車場はないですが、浦添市カルチャーパーク内の駐車場をご利用頂けます。 駐車場へのアクセス→http://tedakohall.lolipop.jp/wp-content/uploads/access.pdf |
webサイト | http://www.tedakohall.jp/ |
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