沖縄の伝統芸能を縁の下で支える若きホープ

公開日 2014/08/25

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名前
嘉数道彦さん
お仕事
芸術監督
出没スポット
国立劇場おきなわ(こくりつげきじょうおきなわ)
出身地
沖縄県那覇市
情報
ブログでは、講演のお知らせやお子さんとの日常を綴っています。沖縄そばジョーグーの一面も。
フィード情報
「みちひこぶろぐ」
http://michihiko.ti-da.net/

ウチナーンチュが誇るべき組踊を世界へ広める 

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国の重要無形文化財「組踊」をはじめ、琉球舞踊、琉球音楽など、多くの公演を行っている「国立劇場おきなわ」。そこで芸術監督を務めているのが嘉数道彦さんです。あまり馴染みのない芸術監督の仕事について、嘉数さんにお話を聞いてみました。

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「芸術監督の主な仕事は舞台作りです」というと、演者に指示を出しながら稽古をしているイメージがありますが、「舞台作りは公演の企画制作から始めるため、むしろデスクワークが多いんですよ」と嘉数さん。国立劇場おきなわ主催の公演は年間で約30公演もあり、まずは上演する作品選びから。子どもと大人どちら向けの作品にするのかなど、企画の内容によって作品を選ぶ基準も変わります。組踊には伝統的な作品の他に新作や創作組踊もあり、新作の場合は脚本作りも行うなど、作業は多岐に渡るそうです。

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伝統芸能継承者でもある組踊演者は、現在約200人。作品が決まったら配役を決め、それぞれの演者に出演をオファーします。昼間は仕事をしている演者がほとんどのため、稽古は夜に行われることが多く、スケジュール調整に苦労しているよう。作品によって異なりますが、2か月から半年の稽古期間を経て、無事に公演が行われます。

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芸術監督としてほとんど休みなく働いている嘉数さんですが、今の仕事に就いたのは、幼い頃、祖母に連れられて観た沖縄芝居に魅せられた事が始まりだそう。4歳から琉舞研究所に通い始め、沖縄芸能について学ぶきっかけになったそうです。その後、沖縄県立芸術大学に進学し、組踊について学ぶことになりました。「組踊は、自分の体とフィーリングが合ったというか、音楽と動きが心にフィットしたのです」と、組踊の魅力を語ります。卒業の頃に国立劇場おきなわがオープンし、舞台に出演したり、新作作りや演出にも参加。2013年4月には、国立劇場おきなわの芸術監督に就任しました。時には演者として舞台に立つ事もある嘉数さんに、「芸術監督と演者、どちらが好きですか?」と質問すると、「私よりも大先輩の方々を演出することが多いので、自分が演じている方がやりやすいかな」と苦笑い。

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国立劇場おきなわでは、県外や海外でも数多くの公演を行っています。嘉数さんは、「組踊をはじめとする沖縄の芸能は観た人に活力を与え、沖縄の人々が誇りを持てる文化のひとつです。これからも多くの方に沖縄の芸能の魅力を知ってほしいですね」と力強く話してくれました。嘉数さんの更なる活躍が楽しみですね。

地図

国立劇場おきなわ

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