一本づつにロマンが宿るやんばる若鶏の焼き鳥屋さん

浦添でおじさま達が仕事帰りに一杯やる、大人のたまり場的焼き鳥屋さんにふらっと寄ってみる…なんて、女子のみなさんも憧れませんか？ 沖縄ローカルな人びとが集うお店に行ってみたいなんて思いませんか？ その小さな冒険を叶えてくれるのが「やきとりのお店 鶏とロマン」です。場所は東京ヤクルトスワローズの春季キャンプが行われる浦添市民球場から車で3分ほど、学園通りとパイプライン通りが交差するあたり。日暮れとともに店はオープンします。

 

古き良き下町ムード漂う店内で、カウンターごしに店主の宣（そん）さんが炭火で焼き鳥を焼いてくれるという、いかにも焼き鳥屋さんらしい光景。焼き鳥用語が並ぶメニュー表を眺めているだけでも、大人の階段をぐぐっと上った気分です。今日は店主おまかせで串焼きやご飯ものをオーダー。どんな料理がでてくるんだろう、というワクワクした気持ちも「おまかせ」の醍醐味。楽しいものですね。待っている間にお酒もチョイス。沖縄らしい泡盛の瓶やグラスと一緒に添えられるミニサイズのやかんだってなんだかフォトジェニック。店のレトロな雰囲気にマッチしています。

本日のおすすめの串たち、スタンバイできました。すべてその日の朝に仕入れたばかりの新鮮なやんばる若鶏を使用。左が通常のレバーより脂肪分が多くうまみのある「白レバー（200円）」、中央が心臓部分の「ハツ（180円）」、左がモモ肉を皮で巻いた「モモの抱き身（200円）」。

それを宣さんが一本づつ炭火で焼いていきます。「部位ごとに焼き方や味付けが違うからいっぺんには焼きません」。軽快なテンポでトークしながらも、細やかに指先は串を回しています。

モモの抱き身は壷に入った特製タレをにくぐらせて。「タレの材料は醤油、みりん、ザラメなどいたってシンプル。タレの味わいは肉をくぐらせることで重なって、育っていくんですよ」と説明する宣さん。背後の壁には「みんなで育てるタレと俺」って鶏とロマン語録の書初めまであるんですよ。

さきほどの3種に加えて、きれいな桜色の「ササミ（180円）」も登場。この鮮やかな色味が鮮度を物語っています。

さぁ、4本そろったところでいただきま～す。まずハツは、適度に弾力があって、味にくせもなく食べやすい。絶妙に塩コショウもきいていて、ハツ好きにはたまらない食感。そして白レバー、さすが鶏のフォアグラと言われるだけあって、口に入れるとトロ～リとした食感が口いっぱいに広がります。そしてジューシーなモモの抱き身、さらにパサパサ感が一切ないしっとりとしたササミをうらそえナビ取材陣みんなで堪能。思わず「これ、1本200円以内の味じゃないです～～！」と悶絶コメントが絶えません。

さらにご飯ものが続きます。鶏のミンチを使ったヘルシーな味わいの「こだわりのキーマカレー（手前・600円）」。軟骨入りでコリコリした食感と、中央にのった卵黄がスパイシーさをマイルドに包み込みます。焼き鳥のタレを塗って、網で慎重に焼き上げた「秘伝のタレで焼きおにぎり（左奥・200円）」。香ばしいタレはもちろん、おにぎりのふっくら具合ったら！ 私にとってはありそうでなかなか出合えない、理想的な焼きおにぎりです。最後は「よだれ鶏（右奥・400円）」。ラー油に浸した蒸し鶏に豆板醤、ネギなどをたっぷり散らしたひと品。 もともと四川料理にある代表的なメニューを宣さん流にアレンジしたんですって。ふっくらモモ肉に染み込んだ、ちょい辛特製ソース。メニュー名どおり、思い出すだけでよだれが・・・汗。焼き鳥以外のメニューの充実ぷりもステキです！

年季の入ったノスタルジックな店構えとは裏腹に、オープンは2014年4月。「もともと、飲食店をいろいろ経験してきたんですが、6年前に焼き鳥に出合ってからはコレだけ。一本づつに思い出があるっていうか・・。焼き鳥と向き合うことでロマンを感じるんですよ」。一人のお客さんのために、一本づつ串を焼く。この単純とも思える作業が、宣さんにとっては、お客さんと喜びを分かち合えるかけがえのないコミュニケーションなのです。一串一串に宿るロマン。焼き鳥職人ならではの語録もいっぱいで、新しい世界をのぞけた気がする焼き鳥屋初心者のアラサーうらそえナビスタッフです。周りの友達に口コミしたのは言うまでもありません。

最後はにっこり笑顔の宣さん、副店長のアヤミさん。焼き鳥の魅力をたっぷり満喫させてくれて、ありがとうございます～！

DATA

店名	やきとりのお店 鶏とロマン (やきとりのおみせ とりとロマン）
電話番号	080-8390-3283
住所	沖縄県浦添市伊祖2-25-9
営業時間	18：00～24：00（L.O.）
定休日	水・日曜
駐車場	2台（共有）
平均予算	ディナー：2,000円
支払い	現金払い
フィード情報	・ブログ ・facebook