家族でラーメンならここ。熱くやさしい至極の一杯 

本気のラーメンを食べるなら七町内へ。スープのベースは豚骨。良質の豚足やゲンコツを丸2日間、コトコトと丁寧に炊き上げたスープは、まろやかでコク深くて後味さっぱり。麺も全7種類あるメニューに合わせて、細麺と中太麺を使い分けるこだわりよう。一口味わうごとに、旨みがじわりじわりとボディーブローのように効いてくる。

店主は石垣島出身の根間仁さん。この名前にピンッ！と来た人はいるだろうか。興南高校時代、ボクシングバンタム級の全国チャンピオンに輝き、一度はプロ入りを果たした元ボクサーだ。グローブを脱いでからは料理の道を志し、「沖縄そばの勉強になるかもしれない」とラーメンの勉強を始めたところ、たちまちそのトリコに。2013年に浦添市屋富祖で念願の店を構え、2015年2月に現在の場所へ移転した。

そんな根間さんの写真をぜひ撮りたかったのだが、「いやあ、オレは無法者だから写真だけは勘弁(^_^;」とかたくなに拒否…でも、無法者（←お店に行くと理由がわかります）だなんて冗談を言いながら、店内はとっても清潔だし、ファミリーにうれしいキッズルームはあるし、何より肝心のラーメンを食べれば、丁寧な仕事ぶりと心根のやさしさが伝わってくる。

それではお待ちかねのラーメンを紹介しよう。メニューはスープの味によって大きく2つに分かれ、冒頭で紹介した豚骨スープで作る「豚骨」「醤油豚骨」「味噌豚骨」「旨辛担々麺」と、これにカツオと昆布のダシを加えた「和風醤油豚骨」「和風塩豚骨」「和風味噌豚骨」がある。写真は一番人気の「旨辛担々麺（850円）」。辛さのレベルは3段階から選べる。元ボクサーが作るだけにパンチが効いて…るかどうかは、食べてからのお楽しみ♪

こちらは「味噌豚骨（700円）」。「味噌の仕込みは一番気を遣う。弱火でじっくり焦がさないように、何時間も集中して調理しないといけないから」と手間ひまかけてこしらえたスープは、味噌の風味がふわっと口の中いっぱいに広がる、ヘルシーなやさしい味。女性や年配者にも大好評とのことだ。

各ラーメンにプラス300円でミニカレーまたはミニチャーシュー丼が付く「まんぷくセット」もおすすめ。カレーを出すようになったのは、「子どもはみんな大好物。家族で気軽に来てもらえるように」との配慮から。またチャーシュー丼も、「ラーメンに使った端肉を混ぜるのではなく、丼は丼で一枚一枚カットしている」という本格派だ。

「オレは料理人という意識はないし、お手本にしているラーメンがあるわけでもない。どうすればたくさんの人においしいと思ってもらえるか、自分なりに頭を使って工夫してやっている」と話す根間さん。「一つだけ自信があるのは、仕込みはとにかく丁寧に、一所懸命やっていること」。目に見えない、基本の積み重ねが大切であることは、ボクシングもラーメンも同じだろう。情熱と愛情がたっぷり詰まった至極の一杯に、ノックアウトされること間違いなし。

DATA

店名	麺や七町内 （めんやななちょうない）
電話番号	098-878-5480
住所	沖縄県浦添市勢理客1-20-21
営業時間	11：30～15：00、18:00～22:00 ※日曜・祝日は11：30～22：00
定休日	水曜
駐車場	7台
平均予算	600円～
支払い	現金払い
その他	キッズルームあり