【2012年12月】屋富祖大通り
公開日 2013/01/09
国道58号沿いのキャンプキンザーから県道38号に入ると、昔ながらの商店が立ち並ぶ通りがあります。
一般的に「屋富祖大通り」と呼ばれる通りですが、本当の道の名前は「屋富祖通り」。
なぜこの通りには、たくさんの商店が建ち並ぶのでしょうか。
屋富祖大通りは過去と現在について、屋富祖大通り会の方々に話を伺ってみました。
屋富祖通り会の方々に話を伺う
今回お話を伺ったのはや屋富祖通り会の真栄田健作会長と、会の中心メンバーの方々です。
みなさん業種は違いますが、通りに店舗を構えるお店のみなさん。
一丸となって屋富祖大通りを盛り上げる活動をされておられます。
(真栄田健作会長)
- 屋富祖大通りの歴史を教えていただけますか?
(前会長の松田利男氏)
ここは昔は小さな通りだったんです。道も舗装されていないような。
近所の人が表通りと言って指すのは1本裏の通りというぐらい特になにもない通りでした。
キャンプキンザーが出来た当時もまだ小さい通りでしたね。
最初は兵舎を作るために建設業の人がたくさん来たんです。
キンザーの正面玄関は昔は通りの突き当たりにあったので、キャンプが出来てからは軍雇用員が通りを使うようになりました。
そうこうするうちに、どんどんお店が増えてきましたね。
当時は本当にたくさんの軍雇用員が朝から晩までいて、歩くと肩がすれ違うぐらいでしたよ。
あの頃は道幅の広い通りだという認識でしたが、今はなんだか小さく思えますね。
1960年当時の屋富祖大通り(浦添市立図書館所蔵)
- 道はいつ頃に舗装されたんですか?
キンザーができて最初のうちは道が舗装されていなかったから、埃がまわないように馬車に水タンクを積んで散水しいていました。
1日3往復ぐらいしていたんじゃないでしょうか。
食べ物を扱うお店も多かったから、やはり埃がまうとマズいわけです。
その頃はまだ浦添村だったので村に舗装してくれと陳情したけど予算がないからと受け入れられなかった。
だから最初の舗装は通り会でお金を出し合ってやったんですよ。
- 屋富祖はどれぐらい賑わっていたんでしょうか?
ベトナム戦争の頃、屋富祖通りにAサインバーは5軒ありました。
浦添で6軒あり、そのうちの5軒が大通りということは、ここがどれだけ繁華街だったかということですね。
戦場にはお金を持って行けないからどんどんつかう人がいるんです。
若者には特に多かった。
米軍は衛生面の問題からAサインバーしか入らなかったから、Aサインがあるお店は相当儲かったって聞きますよ。
レジにお金が入らないから段ボールに入れて管理して、お金を見るのが嫌になったという笑い話も聞きます。
今からは想像ができないですけどね。
Aサインバーだけでなく、まわりのお店も繁盛していましたよ。
最初は軍雇用員が遊べるところが中心の娯楽街から、徐々に商店ができ、最終的には食堂などの日常生活と関わる店舗が増えて。屋富祖だけでも市場が2つあったんですよ。
- 当時からあるお店が今でも営業されているところはありますか?
まだたくさんありますよ。
まわってみれば楽しいと思いますよ。
屋富祖大通りに並ぶ店舗
現在でも屋富祖大通りには理髪店や食堂の近所の人が利用する店舗から飲屋やスナックまでさまざまな店舗が並びます。
この通りで50年60年と歴史を重ねているお店から、新しくできたお店まで、通りの変遷に思いを馳せながら歩いてみるのも楽しいと思います。
国道58号から屋富祖大通りへ
★マサの店(理容室)
娘さんが描いたというオーナーの似顔絵が良い感じです。
★新生堂
50年前からあるお店。昔は12本単位でサングラスが売れたとか。
★ラーメンきょうざのすずらん
夜遅くから開くお店ですが、入り口からは営業時間が不明です。
★東京理容館
大通りでもっとも古くからあるお店。昔は那覇からも通う人がいるひとが多かったそうです。
1966年の写真(浦添市立図書館所蔵)。左側に東京理容店が写っています。
★屋富祖天ぷら屋
こちらも昔からある天ぷら屋さん。今でも多くのご近所さんに愛されています。
★たまや食堂
食堂とは思えない営業時間の長さにビックリ!
★スナック看板
見ていてドキドキな店名が多いです。
★屋富祖精肉店
精肉店兼焼肉屋さんのおもしろいお店。
通り会の活動
今回お話を伺った屋富祖通り会では、屋富祖大通りの活性化を図る活動をしておられます。
もっとも大きいイベントが、毎年てだこまつりの前夜祭として行われる「ひぃ~や祭々 in 屋富祖」。
屋富祖大通りを歩行者天国にしてパレードやセレモニーが行われます。
いつも車で通り過ぎている通りでも、車を止めて歩いてみると興味深いものがたくさん見えてくるようになります。
まだまだ屋富祖には面白いお店がたくさんあるので、ぜひ一度訪れていただきたい通りです。
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