浦添のサーターマエストロ
公開日 2013/11/13
サーターアンダギー揚げのゴッドハンド
沖縄の人びとの間では、「サーター」とも略される「サーターアンダギー(砂糖天ぷら)」は、小麦粉・砂糖・卵・ベーキングパウダーなどで作られる揚げ菓子で、そのシンプルさゆえに、作り手の技が味の良し悪しを分ける家庭の味だ。浦添市で約30年、サーターアンダギーを作り続けている仲里さんの味は、冷めても表面がカリッとしていて、中はなめらかな食感。油を吸っていないのが特徴だ。まねのできない独特の揚げ上がりが評判で、県外に住む家族や親戚・友人に送ってあげたいと店を訪れる地元客や、おみやげを買いに立ち寄る観光客も後を絶たない。「毎朝、仏壇とヒヌカン(台所に奉られる火の神様)に手を合わせることから始めるさぁ。おいしいサーターアンダギーを作らせてくれてありがとうございますって、感謝の気持ちがないといけない」。
仲里さんの味は、きっと、神様からの授かりものに違いないと、感動のあまり涙があふれそうになった本記事担当に、「でもあなた、ライターって言うから、うちではライター売ってないけどねぇと思ったさぁ」と、しっかりオチまでつけてくれた。さすがに人生の大先輩だ。朝9時から夜11時まで年中無休、一日500~600個を揚げる仲里さん。「この揚げ方は、30年間、毎日サーターを揚げ続けて自然と習得したもの。仕事では、若い人には負けないよ」と、サーターマエストロの風格さえ漂うステキな女性だ。心にもしみ入るおいしいサーターアンダギー、どうもありがとう。ごちそうさまでした!
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