養蚕やお茶づくりを支える島桑畑人(シマグワハルサー)

公開日 2014/09/26

島桑畑人比嘉さん
名前
比嘉定信さん
お仕事
浦添市シルバー人材センター 養蚕グループ
出没スポット
養蚕絹織物施設サン・シルク
出身地
国頭村奥
情報
まだまだ元気で頑張ります。どこかの桑畑で見かけたら声をかけてください!

桑畑の管理を一手に担うシルバーの星

tedako_kuwabatake_02
うらそえ織やてだ桑茶を中心とする、島桑を通じた浦添市のものづくり事業を、陰から支える縁の下の力持ち。浦添市シルバー人材センターの養蚕グループに所属する比嘉定信さん(写真中央)は、7名いる同グループの会員の中でただ一人、桑畑の管理を担当する。「畑作業はチェーンソーなどの機械を使うから、慣れていないとできないわけさ。収穫に忙しいときは応援に来てもらうけどね」。

tedako_kuwabatake_03
管理している桑畑は、浦添市内を中心に全11カ所。それを月・水・金曜の出勤日ごとに巡回して、手入れを行なう。堆肥をまき、草を刈り、桑葉や実を収穫して、養蚕や茶葉の加工を行なう養蚕絹織物施設サン・シルクまで運搬するのが、比嘉さんの仕事である。「桑はどこにでも自生している強い木だからね。台風で枝が折れてもすぐ新芽が出てくるし、まったく手はかからないよ」とは言うものの、御年74歳。実にパワフルだ。

tedako_kuwabatake_04
比嘉さんはシルバーの会員になって、今年でちょうど10年目を迎える。現役時代は浦添市内に居を構え、砂販売などの仕事に携わった後、本土に渡って定年退職まで電気工として働いていたという。「田舎は国頭村だし、長いこと沖縄を離れていたから、老人会やサークルに参加しようにも知り合いがほとんどいない。何もせず時間を持て余すくらいなら、体が元気なうちは仕事をしたほうがいいだろう」と考えたのが、シルバーに登録したきっかけだった。

tedako_kuwabatake_05
当初は市道の街路樹の剪定(せんてい)などを行なう草刈り班に配属され、その後養蚕グループに異動して3年目。出勤日は朝7時から夕方まで丸一日畑にいるという仕事の虫だ。真っ黒に日焼けした顔をクチャリとほころばせながら、「この年齢になって畑作業をするなんて、思いも寄らなかったよ」と遠い目で桑の木を見つめる。

島桑畑
あちこちの畑に足を運ぶにつれ、桑の知識がつき愛着もわいてきた。「この葉っぱは良質な茶葉になりそうだ」などと目利きすることもしばしば。「手塩にかけて育てた桑の葉が、やがておいしいお茶になり、あるいは間接的にうらそえ織になるのだから、やりがいがある仕事だよね」。そう言ってせっせと畑作業に精を出す比嘉さんの背中は、働くことの楽しさを感じさせてくれる。

関連ワード

※この記事はに作成されました。公開時点から変更になっている場合がありますのでご了承ください。