世界にひとつだけの三線を作ってみよう!

公開日 2014/08/29

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浦添市大平にある「新城工作所」では、職人が使っている最高級の材料や道具を使って、自分だけのオリジナル三線作りができる「三線職人塾」が人気です。「子どもや孫に残せる我が家の三線を自分の手で作ってみたい!」「三線職人になってみたい!」そんな思いを叶えられるよう、初心者や女性、年配の方でも無理なく制作できる独自のプログラムを用意。そんな「三線職人塾」に行ってきました!


名工の技を継承する本格的な三線作りに挑戦!

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沖縄の伝統文化である三線は今や世界中に広がり、三線の演奏を気軽に楽しめる環境が整ってきています。けれども、三線が壊れてしまった時に修理できる職人の数は年々減少し、長年愛用している三線を仕方なく買い換える人も少なくないそうです。そこで、「現代の名工」を受賞した実績を持つ新城伸治さんがその技を継承するために「三線職人塾」を開講しました。これまで300人以上の塾生たちが、三線の素材でも最も高級な黒木(黒檀)や本皮張りの胴を使い、お店で販売できるような質の高い本格的な三線作りにチャレンジしてきました。参加費は10万円と高めですが、自分の手で最高級の三線を作れるとあって、県内の三線愛好家はもちろん、県外からも多くの参加者が訪れるほどの人気です。

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開講式では、お酒とお米、火をつけていない線香を用いて、4日間の安全祈願を行います。「大工は火を嫌うから、ここでは線香に火を使わないんですよ」と話すのは、塾長を務める新城さん。その後のオリエンテーションでは、塾生たちの自己紹介も行われました。県内はもちろん、東京や愛知からの参加者もいます。みなさん初めての三線作りが楽しみで期待に胸を躍らせていますが、ちゃんと作れるのか不安もあるよう。けれども、ベテランの三線職人3人がひとつひとつ丁寧に説明をしながら指導してくれると聞き、ちょっと安心した様子です。

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作業は棹(ソー)作りが中心です。三線にはいくつもの型があり、棹の太さや糸蔵(チルダマイ)の長さ、天(チラ)の曲がり具合など、さまざまな違いがあります。三線職人塾では、「真壁型」「与那城型」「南風原型」「知念大工型」「江戸与那城型」の5つから好きな型を選べます。まずは自分が選んだ型に合わせて墨入れをし、角材から滑らかな曲線の棹に仕上げていきます。

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作業は毎朝9時~17時まで、4日かけて行われます。三線作りはこんなに時間がかかるものなのかと驚いていたら、「職人は1日で何本も作りますよ。三線職人塾では、初心者でもきちんと三線が作れるように無理のないカリキュラムを組んでいるんです」と、スタッフの喜屋武幸元さん。すでに3回目の参加だという津波古光男さんは、さすがに慣れた手つきです。「三線を作っていると、次は違う型にしてみようとか、いろいろやりたい事が出てくるんですよ」と、三線作りの魅力を話してくれました。「もちろん三線作りが目的ですが、他の塾生のみなさんとの出会いも楽しみのひとつなんです」と言い、まだ慣れない初心者の塾生にも優しくアドバイスしていました。


いよいよ完成!感無量の卒業セレモニー

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最終日ともなると、だいぶ三線らしくなってきました。いよいよ仕上げです。棹を丁寧にサンドペーパーで磨いた後、組み立てていきます。きちんと真っ直ぐになっているか入念にチェック!最後に手掛け(ティーガー)を取り付けて、ついに三線が完成!どれも初めて作ったとは思えないほど素晴らしい出来栄えです。

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修了式では新城塾長から修了証書を手渡され、みんなで「かぎやで風」「安里屋ユンタ」「安波節」を演奏。那覇市から参加した島袋常正さんは「木を削る時、左右の形を同じように揃えるのが一番難しかったです。初めてにしては上手にできたと思いますが、やっぱり『もっとこうすれば良かった』『次はこの形にしたい』という思いがありますね」と、2本目の三線作りに意欲満々です。はるばる東京から参加した佐藤繁さんは、「三線を買いたいと思いネットを検索していたら、この三線職人塾に出会いました。最初はただの木の棒だったのが次第に三線の形に近づいていき、こうしてちゃんと音が出たのを聞いて感動しています!」と大満足の様子。出来上がった三線をみなさん愛おしそうに抱えていて、「この三線は家宝にして、孫、ひ孫の代まで大切に引き継ぎます!」と、口々に話していました。

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三線職人塾は、連休を挟んだ4日間の日程で年に数回行われており、随時ホームページで参加者を募集しています。「第37期三線職人塾」は、2014年9月20日(土)~23日(火)に開催。見学しているこちらも三線を作りたいという気持ちが大きくなって、思わず自分のスケジュール帳を開いて日程を確認してしまいました。世界でたったひとつのオリジナル三線作りに、みなさんもぜひ参加してみてください。
 

DATA

店舗名
新城工作所 浦添店ショールーム
(シンジョウコウサクジョ ウラソエテンショールーム)
住所
沖縄県浦添市大平1-28-9
お問い合せ先
098-878-2661
営業時間
9時~18時
定休日
日曜、祝日
料金
「三線職人塾」参加費10万円(材料費・講習費)
駐車場
有り
Webサイト

 

地図

新城工作所 浦添店ショールーム

※この記事はに作成されました。公開時点から変更になっている場合がありますのでご了承ください。