当山の石畳道
公開日 2013/02/14
沖縄で有名な石畳道といえば、那覇市の首里城近くにある金城町石畳道。NHK朝の連続ドラマ『ちゅらさん』のロケ地となったこともあり、多くのガイドブックにも掲載され観光名所となっています。赤瓦の沖縄民家が建ち並ぶ石畳道は趣があり散策にぴったり。
しかし、ここ浦添市にも味わい深い石畳道が存在していることをご存知でしょうか
今回は浦添市の指定文化財『当山の石畳道』を歴史散策してみたいと思います。
馬転ばしの石畳
浦添城址やようどれのほど近く、浦添市前田から北へと続く当山の石畳道は、首里と本島中部をつなぐ「普天間街道」の一部。琉球王国時代、国王はこの道を通って首里城から普天間宮へと参詣したといわれています。
現在修復保存されている部分は全長約200m・幅3mほどですが、「馬ドゥケーラシ(馬転ばし)」と呼ばれる、馬が転ぶ程の急坂が続き交通の難所として知られていました。
ここが北側の入口。
昼間でも薄暗く感じるほど鬱蒼と木々が生い茂っており、石畳道に入ると少し気温が低くなったように感じます。
みっちりと敷かれた美しい石畳。
この石畳は再現ではなく当時のものがそのまま残っているので、長い年月を経過したことで角が丸くなったり欠けたりしているものも。
いにしえの情景に思いを馳せてしまいます。
石畳道沿いの金網にサン(沖縄の魔除けのようなもの)が結びつけられていました。
普天間街道の石碑。
石造りが美しいアーチ橋
石畳道のいちばん低いところは牧港川が流れており、大正時代に改築されたという美しいアーチ型の石橋「当山橋」がかかっています。
現在は生活用水が流れ込んでおり、残念ながらあまりきれいとはいえませんが、昔の人々はここで休憩し喉を潤したのかもしれませんね。
当山橋近くの広場には見事な気根を広げたガジュマルの木があり、まるで精霊が宿っているかのような不思議な存在感を放っています。
赤瓦屋根の東屋もあるので、涼やかな水音や野鳥のさえずりを聞きながら川のほとりでひと休憩するのもおすすめです。
緑いっぱいの歴史散歩を楽しもう
反対側の入り口へと向かう道はまた段々と急勾配に。ふくらはぎの筋肉がキュッと悲鳴をあげます。
巨大なガジュマルやクワズイモ。沖縄ならではの植物が生い茂る光景は、今も昔もそれほど変わらないのかもしれません。
下に立つのが思わずためらわれるほどの迫力。
自然が豊かなだけに、ハブが出ることもあるのでご注意を。
ゆっくり歩いて約15分ほどで反対側の入口へ。
石畳道自体はそれほど長い距離ではありませんが、浦添大公園へとつながっているので、のんびりと緑のなかを散策してみてはいかがでしょうか。
散策に疲れたら、石畳道の北側すぐのところにある「そば処 一本松」で美味しいおそばをどうぞ!
スポット情報
当山の石畳道に関する情報は、本サイトの「うらそえの見どころ」でもご紹介しています。
こちらも合わせてご参照下さい。
→ 「うらそえの見どころ」普天間街道 当山の石畳道[国指定史跡]
地図
当山の石畳道
関連記事
※この記事はに作成されました。公開時点から変更になっている場合がありますのでご了承ください。