小雨堂
公開日 2015/11/17
時の流れを自由に行き来
古書店での新たな発見
本好きな方なら旅行カバンに本をしのばせるのもしばしばかと思いますが、旅先で出会う本、なんてのもオツではないでしょうか? 今回ご紹介するのは、アットホームな店構えがどこか落ち着く古本屋さん。もともとは那覇でオープンしましたが、7〜8年ほど経たのちこちらに移転して4年ほどになります。沖縄関連の本も多数揃うので、時を経てジャンルを越えて、様々な沖縄を知ることができる隠れた穴場でもありますよ。
店を切り盛りするのは、店主の新垣さんとその奥さまです。主に扱っているのは、沖縄関連の本、絵本、アート関連の本、そして輸入物の雑貨など。お店が那覇にあったころは、オールジャンルの幅広い本を扱っていたそうですが、こちらに引っ越してきてからは、思い切ってバッサリ! 好きな分野に絞り、それまであった半分以上の本を処分して、そのジャンルの本を増やしました。
まずはお店が一番力を入れている、絵本のコーナー。「絵本は物語の良さはもちろんですけど、絵を見るのが好きなんです。色使いだったり、デザインのバランス感覚だったり、綺麗で素晴らしいものが多いですね。しっかりとしたアートというのではないけど、子どもから手に触れられる、まさにミニアートという感じで良いんですよね」。中でもユニークなのは、たくさんのペーパーバックの月刊保育誌。この中には絵本になっていない良作の掘り出し物語も実はたくさんあるそうですよ。
絵本の延長線として、アート関連の本も揃えています。国内外の絵画や写真、建築物などに関するものがメイン。大判のものに分厚いもの…と、とにかくいろいろあってわくわくします。
そして最近あちこちの書店でもよくみかけるこちらの「琉球妖怪大図鑑」。…なんと、奥さまが挿絵を手掛けているんです!さらに店の可愛らしい看板を描いたのは店主だそうで、アートにも造詣が深いお二人、ステキです。
「沖縄本は固いの柔らかいのなんでも扱います」と記されたフライヤーからもうかがえるように、沖縄関連の本も充実です。特に貴重なのは戦前の出版物だそう。沖縄戦で焼けたのは本も例外ではなく、その多くが失われてしまったからです。また県内流通のものはそもそも発行部数が少なかったり、どんどんでている新作を追うのも大変だったり…と、なかなか一筋縄ではいかない面もあるそうです。「歴史もあるし量も多いので、知識が必要。そこは積み重ねた経験が強みになってきます」と新垣さん。やはり奥の深いジャンルなんですね。
「にゃ〜ん。」…おっと、ここで気まぐれに登場した看板娘まろチャンをご紹介しておきます。本を見てるそばから歩み寄ってきては、足元にすりすりしたり、目の前で気を許したポーズをとってくれたり…本当に人懐こくて可愛らしい娘です。かまわずにはいられない!というわけで、脱線してしまいました、すみません。
輸入もののカートゥーン系アイテムなどもたくさんあります。「もともとは自分が好きで買っていたんですが、海外ものは送料が高くつくので多めに買ってシェアしようと思ったのがはじまりです。あれこれ買う間に増えて、4年でこのありさま(笑)」と店主。
新垣さんご夫妻の猫好きが高じて設けられた、猫だらけコーナーも見逃せません。一般書と絵本コーナーのそれぞれにあります。棚の仕切りをくるっと囲む猫のイラスとやシールが目印。
「古本屋さんの楽しみは、店の“色”を出していくこと。いえば、自分の部屋ですからね。そのジャンルの通のお客さんに品揃えを褒められたりするとうれしいですね」と、その魅力を話してくれた新垣さん。丁寧に吟味しながら大切に増やし続けている素敵な作品の数々を見に、ぜひ遊びに訪れてください。
DATA
店名
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小雨堂 (コサメドウ) |
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電話番号
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098-894-5202 |
住所
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沖縄県浦添市沢岻2-14-2 |
営業時間
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10:30〜18:00 |
定休日
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火曜 |
駐車場
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2台 |
Webサイト
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http://ehon-shizuku.ocnk.net/ http://kijimunan.ocnk.net/ |
平均予算
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350円〜 |
支払い
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現金のみ |
地図
小雨堂
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