夏休み恒例企画!国立劇場おきなわバックステージツアー参加レポート

公開日 2017/08/23

第1部
ドキドキ・ワクワク!普段は見られない舞台裏をのぞいちゃおう!

 

夏休みも残りわずか!よいこのみんな~!宿題や自由研究はすすんでいるかな~?さて!今回、うらナビスタッフは、夏休みの課題を「親子で組踊の世界にふれる」ことに決め、国立劇場おきなわのバックステージツアーへ参加してきましたよ~!

このバックステージツアーは夏休み恒例の大好評企画で、今年(2017年)は8月5日・6日に開催されました。ツアー当日のロビーには、これからはじまる探検&体験に、ドキドキ・ワクワクの子どもたちがいっぱい!

一年生

すずき はつねさん・きな ことなさん(1年生)は、「組踊版・スイミー」を見て、組踊に興味をもったそうで、「舞台裏がどんなところか楽しみ~!」と、元気いっぱいお話してくれました!

説明

バックステージツアー出発前には、組踊は中国の冊封使を歓待するため玉城朝薫(1684~1734)により創始されたこと、昭和47年に国の重要無形文化財に指定されたこと、平成22年にはユネスコの無形文化遺産となったことなど、組踊の歴史について説明がありました。また、小道具や大道具等に触ったり動かしてはいけないことや、劇場で誰かにあったら朝でも夜でも「おはようございます!」とあいさつをすることなどを約束しました。みんな真剣なまなざしですね!

それでは、いよいよ施設見学へ!

劇場説明

まずは、大劇場について説明を受けました。緞帳(どんちょう)は「金黄(ちんおう)」という名前で、なんと京都の西陣綴れ織!高貴な色とされている黄色と黄金色を使用して、海に太陽の光が輝く様子を表しているそうです。客席数は、632席(1階522席、2階110席)。参加者からは、「いっぱい人が入るんだね~。」との声がありました。

龍

説明を聞いていると、突如、花道の方から龍が現れて子どもたちはビックリ!ここはセリ(すっぽん)といって、この世のものじゃないもの(幽霊や妖怪など)が登場するときに使うという約束事があるそうです。

特殊音

大劇場舞台では、スタッフが音響・照明・盆回し・字幕について丁寧に説明してくれました。子どもたちは、うちわを使って鳥がはばたく音を出したり、貝殻を合わせてカエルの鳴き声を表現したり、目を輝かせながらいろんな表現方法や演出方法を学んでいましたよ。

照明

照明器具やカラーフィルターを使って、舞台の壁に龍や雨の模様を出す体験も楽しそうでした!

 

そんななかでも、ひときわ歓声があがったのは「紙ふぶき」。

かみふぶき

かみふぶき・こども

ご覧の通り紙ふぶきが舞う中、子どもたちは我を忘れてはしゃぎまくっております。おかげで(?)カメラがブレブレです。(あ、いえ。こちらの腕が悪いのです。スミマセン!)ちなみに、この紙ふぶきは「和紙」!この和紙はリサイクルするんですか?と質問したところ、「使用するのは1回限りです。」とのお答えが!東京に専門の会社があり、そこから取り寄せているそうです。こんな細部にまで上質な素材が使われているとは驚きです。

花道

貴重な花道体験もできました!

 

さて、コチラは楽屋です。なんと、国立劇場おきなわには県内でもココだけという「楽屋専門係」さんがおり、出演者に気持ちよく楽屋を使用してもらうため、日々、座布団の汚れ等を隅々までチェックしているそうです!そんな楽屋専門係のお二人より、突然、子どもたちに「座布団カバー交換競争」の挑戦状が!挑戦してくれたのは、宮城ヶ原児童センターの3人。

座布団

「私たちと真剣勝負よっ!」

競争

「負けないわよ~~!!」

 

黙々と座布団カバーを替えていくシュールな戦いに勝利したのは、宮城ヶ原児童センターチーム!「最初は負けるかと思ったけど、勝って良かったです!」と、3人は爽やかな笑顔でコメント。そこには、接戦を制した安堵感がにじんでおりました。しかし、楽屋専門係さんのお仕事の大変さもよくわかったようで、「どこへ行っても、来た時よりも美しくしようね。」という言葉にみんな深くうなずいていました。

楽屋かがみ

楽屋の鏡で可愛くポーズをとってくれる子もいましたよ。女優さん気分ですね♡

 

さて、舞台の下に移動すると……

奈落

奈落(ならく)です。舞台や花道の床下のことをこう呼びます。みんな真剣に説明を聞きながらメモってますね!

奈落2

今回のツアーで、子どもたちは「奈落の底」・「花道」・「ひのき舞台」・「板につく」など、舞台用語がもとになっている言葉がたくさんあることも学んでいました。
 

第2部
「ありよーい!」がツボにはまった!講師による組踊・琉球舞踊ワークショップ

 

施設見学のあとは、子の会(しーのかい)実演家の先生たちによる、組踊のワークショップです。ここでは、組踊独特の振りや所作の体験後に発表もあると聞いて、子どもも大人も緊張気味!

かぎやで風

そんな緊張をほぐしてくれるかのように、まずは、先生方が「かぎやで風」を披露してくれました。

そして、組踊「女物狂(おんなものぐるい)」の体験へ。なんか怖いタイトルですよね~。しかし、この物語は誘拐された子を思う母の深い愛が描かれた作品なのです。今回は、冒頭の誘拐シーンを「人盗人」役、「亀松(子ども)」役にわかれて練習します。

人盗人練習

迫力ある演技が求められる「人盗人」。それぞれ、カマ(もちろんニセモノ)を持ち、真剣に取り組んでいます。

お手本

「こうすると凄みがでるんですよ。」先生が演技のコツを丁寧に教えてくれました。

練習 ありよーい

亀松の台詞「ありよーい!ありよーい!(たすけてー!たすけてー!)」最初は小さい声しか出せなかった子どもたちも、練習を重ねるごとに声も表情も豊かになっていきました。

ペア

本番

最後は、ペアになって練習の成果を披露します!みんな短時間で、台詞や所作をカンペキにマスターしていました。スゴイですね!

記念撮影2

先生への質疑応答後は、みんなで楽しく記念撮影!その後、よっぽどツボにハマったのでしょう。ワークショップが終わっても、あっちこっちから「ありよーい!ありよーい!」と聞こえてきたことは言うまでもありません。しろま そうたさん(4年生)は、「悪役(人盗人)が難しかったけど、面白かった~!」と笑顔で感想を言ってくれましたよ。

みほん

自由研究の見本も展示されていました!なるほど~、参考になります!

 

今回「バックステージツアー」に参加して、国立劇場おきなわは、舞台で演技をする人(立方)・演奏する人(地謡)・舞台裏で働く人・舞台を見に来る人に支えられ、成り立っていることを学びました。約3時間のプログラムのなか、子どもたちが一生懸命メモをとり、真剣に演技をする姿はもちろんですが、大人が心から楽しんでいる姿も印象的でしたよ。毎年大好評という理由がよくわかりました!今度は、皆さまもぜひ参加してみてはいかがでしょうか?

うらナビスタッフも実際に、「女物狂(おんなものぐるい)」のお芝居を体験することで、組踊の世界をもっと詳しく知りたいと思いました。ということで、次回は「親子のための組踊鑑賞教室  女物狂 」の鑑賞レポートをお届けします!お楽しみに~。

組踊のこどもたち

【お知らせ】国立劇場おきなわでは、2017年9月17日(日)まで企画展「組踊の子どもたち」を開催中!ぜひご覧くださいね!

 

イベント

夏休み恒例企画 劇場バックステージツア―!!

日時

2017年8月5(土)・6日(日)9時30分~12時30分

第一部

施設見学

第二部 組踊・琉球舞踊ワークショップ

※この記事はに作成されました。公開時点から変更になっている場合がありますのでご了承ください。