神宿る拝所を巡って、歴史ロマンに浸る 浦添グスクの城下町をガイドとそぞろ歩き

公開日 2016/10/05

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古来、浦添の中心地だった仲間集落をくまなく散策
御嶽・樋川・火ヌ神などパワースポットが盛りだくさん

全国各地の歴史好きなみなさま、浦添で古琉球の城下町として栄えたエリアを訪ね、ぶらぶらと歴史散歩なんていかがでしょう。浦添は、12世紀初頭から舜天・英祖・察度と3つの王統が続き、1429年の琉球王国誕生後もたびたび政治の表舞台に登場してきた、由緒ある伝統のまち。車を降りてまちを歩けば、往時の名残を宿す名所&旧跡が点在しています。今回は、次期世界文化遺産候補との呼び声も高い(?)、浦添グスク周辺の仲間エリアをご案内。浦添市観光協会が主催する町あるきツアー「仲間まちま〜い」で、知られざる歴史に迫り、浦添の魅力を再確認してみましょう。

 

浦添よりみちナビゲーター

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指南役はこの人、浦添市観光協会の山端敬さん。さすが浦添の魅力を全国に発信する広報宣伝本部長とあって、スワローズファッションがばっちり決まってますね!今回ご紹介する「仲間集落まちま〜い」は、2016年11月に明治神宮球場で開催される「東京ヤクルトスワローズ ファン感謝デー」で配布する「つば九郎パスポート」を使って豪華特典をもらうための、ミッションの一つになっています。つば九郎パスポートの配布詳細は今後、このサイトで改めてお知らせするとして、まずはこの記事を読んでツアーについてしっかり予習しておきましょう。ツアーはもちろん常時催行しているので、スケジュールに合わせて気軽に利用できますよ!

 

浦添グスク・ようどれ館からスタート
歴史背景についてもしっかりレクチャー

 

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集合場所は、浦添大公園内にある「浦添グスク・ようどれ館」前。その名の通り、浦添グスクと浦添ようどれを訪問する際の拠点になる場所です。25台の無料駐車スペースを備え、路線バスの仲間バス停からは徒歩約5分。館内には、浦添ようどれの西室(英祖王陵)を実物大で再現したレプリカをはじめ、浦添グスク周辺の古写真や出土遺物の展示があります。なお、これから回る散策コースはおもに住宅街になっているので、お手洗いや飲み物の準備はここでしっかり済ませておきましょう。館外に公衆トイレと自動販売機があります。

 

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準備が整ったら、いざ出発!まずは浦添グスク・ようどれ館から100mほど緩やかな坂を上り、浦添市で最も海抜の高い場所(140m!)にある展望台へ。山端さんの説明によると、「この展望台のある一帯は、琉球石灰岩でできた丘陵地になっているんですよ」とのこと。なるほど、北側を望めば、普天間飛行場をはじめ宜野湾市の街並みが眼下に広がり、西側に目をやれば、北谷町から読谷半島に至る海岸線がくっきりと見渡せます。丘陵地、というより、崖の上、といったほうがしっくりくるかもしれません。そしてこの眺めを見ると、古来、浦添という場所が、政治的・地理的にいかに重要な拠点であったのかがよーくわかります。

 

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ツアーでは各スポットの説明だけではなく、より理解が深まるように、歴史背景についてもしっかりレクチャーしてくれます。「浦添グスクは、舜天王統時代の12世紀頃に創建され、琉球史上初めて中国と交易を始めた察度王統が居城にしたといわれています。浦添グスク北側の断崖にある浦添ようどれは、西室が英祖王の陵墓、東室が尚寧王(琉球王国第二尚氏王統七代王)の陵墓で…」などなど。日本本土との関係や、いろいろなエピソードを交えながら教えてくれるので、とってもわかりやすいですよ!

 

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浦添大公園を飛び出し、ここからは現在の仲間集落を巡ります。最初にやって来たのは、沖縄の方言で製糖所を意味する「サーターヤー」跡。戦前は、山端さんが案内してくれた場所を含めて、集落内に8カ所のサーターヤーがあったそうです。そもそも沖縄に製糖技術が伝わったのは、17世紀初頭のこと。琉球五偉人の一人に数えられる儀間真常が、中国から黒糖の製法を導入し、琉球全域に広めました。それ以来、黒糖は琉球王国の経済を支える基幹作物となり、仲間集落に限らずどこの集落にも、たくさんのサーターヤーが設置されました。

 

現代と古代がクロスオーバー
住民の日常に溶け込んだ拝所を訪ねる

 

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集落内はあちこちに細い路地が入り組んでいて、車で回るより歩いたほうがはるかに効率的。「仲間集落の方々は、かつての城下町に住んでいることを誇りに思っていたりするのでしょうか?」「うーん、はっきりそう口にしたのを聞いたことはないけど、どことなく気風は感じるね」。そんな世間話を山端さんと交わしながら、仲間集落発祥の地といわれる「クバサーヌ御嶽」へ。今でこそ、名前の由来になっているクバの木(=ヤシ科の常緑高木)は見られませんが、言い伝えでは、この一帯に生い茂るクバの木の下で、子どもを出産する習わしがあったとか。そこから転じて、現在は子宝や安産のパワースポットとしても崇められています。

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カコーン、カコーンと球をはじくゲートボールの音とお年寄りの元気な笑い声に誘われて、集落の中心にある仲間公民館へ。敷地内には、大きなガジュマルの木に覆われた「仲間ンティラ」と呼ばれる拝所があります。ティラとはムラの神様が鎮座する場所を指し、その多くは洞穴になっています。仲間ンティラも横穴の洞穴で、現在はその一部を埋め立て、拝みを行うための祠(ほこら)が建っています。

 

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それにしてもガジュマルの大木と祠の組み合わせは、何とも神聖な雰囲気。木の根元には巨大な石が埋もれており、「これもパワーストーンの一種かもしれないですね…」と山端さんに話を振ると、意外な回答が。「あそこでゲートボールをしている皆さんがまだ若かりしとき、筋トレ用に大きな石をたくさん集めて、公民館に置いていたそうです。器具や設備が何もない時代ですからね。だけどこの石だけはあまりに重たくて、誰も手を付けないまま、この場所に置き去りになったみたいです」。まあ、確かに「力石(パワーストーン)」であることに違いはなかったようですが…。

 

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公民館から50mほど下った一角に、ぽっかりと開けているのが「仲間樋川(ひーじゃー)」。浦添市内で最も大きな湧き水の一つで、仲間集落の村ガー(共同井戸)として、古くから大事にされてきました。今でも、このあと訪問する「仲間火ヌ神(ひぬかん)」に奉納する若水をここでくみ取っているほか、「台風や大雨の影響で増水すると、子どもたちの天然プールになっていますね」とのこと。コンクリート製の現在の姿は、1935年に改修されたものです。飲み水、洗濯水、馬洗い水、農業用水として、大切に使われてきた面影が、あちこちに刻まれています。

 

Googlemapにも載らない路地裏へGO!
最終目的地は2つの歴史街道の交差点

 

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まち歩きは楽しいですね。見るものすべてが新鮮です。しかも「これ何だろう?“石敢當”と書いてある」とポツリとつぶやけば、「いしがんどう、いしがんとう。T字路や三差路の突き当たりに置かれる魔よけですね。中国の名将の名前が、その名の由来との説があります。沖縄だけではなく、鹿児島県の一部でも見られるようですよ」と山端さんから解説が返ってきます。天下のグーグルマップにすら載っていない路地を歩くなんてことも。まるで集落内を自由に徘徊する子猫の気分です。

 

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仲間樋川を離れ、文字通りの猫道を抜けると、先ほど少し触れた「火ヌ神」が現れます。今でも沖縄の家庭では、家の守り神として台所に火ヌ神を祀り、毎朝“ウートートー”(手を合わせてお祈りすること)する習慣があります。「ここの火ヌ神は、琉球王国時代から祀られてきた、仲間集落全体の守り神ですね。戦後の市街化の波に押され、以前より敷地は狭くなったそうですが、祠の石組みなどは戦前の姿をとどめています」と山端さん。

 

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集落内には新旧の顔が違和感なく同居しています。古い石積みが出てきたと思ったら、モダンな祠が現れたりして。この立派な祠は、仲間集落の草分けの家「根殿内(にーどぅんち)」。ムラの創始者の家を指す「根屋(にーやー)」という方言に、尊称の「殿内(どぅんち)」が付いて、こう呼ばれるようになりました。今でも仲間集落の拝所の一つとして崇められ、与那覇門中によって維持・管理されています。

 

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さて、いよいよ最終目的地である「御待毛(うまちもう)」に到着です。「毛」とは沖縄方言で広場を表し、琉球王国時代にはここで、首里と地方を往来する国王や役人をお出迎えしていたといわれています。地図を見ながら山端さんの説明を聞き、ふむふむと納得。この御待毛は、中頭方西海道と普天満参詣道といういにしえの時代の国道の交差点だったのですね。集合場所の浦添グスク・ようどれ館までは、ここから約300m。最後に館内を見学すれば(入場料・高校生以上100円)、浦添と仲間集落の歴史に関する理解が一段と深まるかもしれませんよ!

 

仲間集落まちま〜い movie編

 

DATA

催行日 要相談
出発時間 10:30
所要時間 90分
参加料金 お一人様2,000円
集合場所 浦添グスク・ようどれ館前
定員 2名〜10名まで
ご予約 前日18時まで(土日の予約は金曜までに)
主催 浦添市観光協会
098-874-0145
(月曜〜金曜 9:00〜18:00)

 

地図

浦添グスク・ようどれ館

※この記事はに作成されました。公開時点から変更になっている場合がありますのでご了承ください。

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