英祖王生誕の地、伊祖グスクの城下町をぶらり旅 王家ゆかりのスポット巡りはまちの人とのふれ合いも楽しみ

公開日 2017/08/17

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浦添史上第2の王統、英祖王統の中心地・伊祖
700年以上守り継がれる伝統と現在のまちの魅力を知る

まち歩きをしながら知られざる沖縄の歴史に迫る「浦添まちまーい」第2弾は、「てだこ(太陽の子)」の愛称で知られる英祖王ゆかりの地、伊祖エリア。英祖王が生まれたとの言い伝えがある伊祖城跡周辺のスポットを散策します。13世紀頃に造られたと推察される城壁や、王家の位牌を700年以上守り継ぐ拝所など、歴史情緒たっぷりの見どころをはじめ、住民とのふれあいが楽しめるチャンスもあり、ドキドキワクワクの旅道中になりそうですよ!

 

浦添よりみちナビゲーター

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この日の案内役は、なんと!英祖王の子孫にあたると言われている、伊祖自治会会長の安里正一さん(左)。ご自身を含めて先祖代々、生まれも育ちも伊祖のまちという、まさに伊祖の生き字引的存在です。王家の一族らしい風格を漂わせ、話巧みでもてなし上手な性格は「英祖王に似たのかな?」と、ちゃめっ気もたっぷりです。お隣のちゅらかーぎー(美女)は、同じ伊祖自治会で書記を務める渡名喜弘子さん。10年以上伊祖自治会を支えてきた渡名喜さんは、婦人会のメンバーとしても活動し、天ぷらづくりの名手でもあるそうです。

 

英祖王の位牌を700年以上守り継ぐ拝所を訪問
まちの人との思いがけないふれ合いも

 

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集合場所は「伊祖公民館」。伊祖エリアに沿ってはしるパイプライン(県道251号)から30メートルほど中に入った場所にあり、目の前には沖縄そばのちょー有名店「高江洲そば」があります。車で来られる方は、公民館前の芝生広場に駐車。路線バスは「浦添総合病院西口」が最寄りのバス停です。参加時に最も注意してほしいのが、スニーカー&長ズボンなどの歩きやすい靴・服装にすること。このあと訪問する伊祖城跡では、舗装されていない散策路を歩くので、サンダルやヒールは避けて、できれば短パンやスカートではなく長ズボンを用意しましょう。

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安里さんに連れられて、最初にやって来たのは、伊祖集落の「火ヌ神」と、壁のない祭祀用の建物「神アシャギ」が設置された公園へ。安里さんは、火ヌ神の脇に立つ樹齢100年以上と伝わるガジュマルの木を指さしながら、「私が小さい頃はここに幼稚園があってね、ガジュマルに上ってよく遊んだなあ」としみじみ。

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この公園は、古くから伊祖集落の祭祀空間だった場所で、神に仕える女性たちがここに集まり、伊祖グスクに向かって祈りを捧げました。現在も神アシャギの北側を見ると、ほら、真っすぐに伊祖グスクのかつての正門へと続く「神道」が延びています。

英祖王の生誕の地、伊祖城跡を散策
当時のままの石積みや港の眺めに感激

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続いて、案内されたのは、伊祖公園内ある、伊祖グスク。英祖王の父・恵祖世主の居城で、英祖王もここで生まれたといわれています。築城年は不明ですが、英祖王の生年から推察すると、13世紀初頭の創建と考えられます。現在は城跡全体が伊祖公園の一部として管理されており、公園から城跡内を巡る散策路も設けられています。ただしご覧のように山道のような部分もあり、歩きやすい靴・服装は必須です。

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伊祖グスクは、小さな丘陵を取り囲むように石垣を張り巡らせて築かれた城です。石垣には古くからある野面積みの技法が用いられ、今でも琉球王朝発祥以前の石積みを確認できます。出土品としては、高麗瓦や中国陶器などが採集されているようですが、安里さんによると「城跡の本格的な発掘調査はまだこれからです。調査が進めば、英祖王時代の人々の暮らしや交易の実態が、より詳細に分かってくるでしょう」とのこと。果たしてどんな新発見があるのか、今後の調査に期待したいですね。

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城跡をさらに高台へ進むと、伊祖グスク跡に造営された伊祖神社が現れます。現在のコンクリート造の神殿や鳥居は1934年につくられたもので、ひさしには小さく「英祖之宮」と書かれています。英祖王の母親が彼を身ごもった際に、太陽がフトコロに入る夢を見たことから英祖王は「てだこ(太陽の子)」と呼ばれるようになったという伝説があり、毎年7月に開催される「浦添てだこまつり」では、ここで太陽の光から火をおこす採火式が行われるんですよ。

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神殿の奥に回り込むと、さらに高所に上れる道があり、頂上付近からはご覧の光景が。前回の仲間集落まちまーいで訪問した浦添大公園の展望台よりは低い位置にありますが、海までの距離が近いぶん、かえって港の様子がくっきりとわかります。700年以上も前、英祖王はこの地に立って、港を眺めながらどんなことを考えていたのでしょう。

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公園内にある「おもろの碑」をチェック。16世紀から17世紀にかけて、首里王府によって編纂された沖縄最古の歌謡集「おもろさうし」の中から、英祖王にまつわる歌が碑文に刻まれています。対訳・解説文に目を通すと、「英祖王が、夏も冬もわかたず、毎月のように酒盛りをするほど、豊かな世を実現した」ことを賛美した歌と書かれています。「だから私も英祖王に似て、酒席が大好きなのかもしれませんね」と安里さんはにっこり。

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伊祖公民館を出発してから20分余り、公園にあるガジュマルの大木に感心しつつ、後半のコース散策と参りましょう。

伊祖の高御墓

公園から少しあるいた所にある、伊祖の高御墓。伊祖城主で、英祖王の父親の恵祖世主(えそのよのぬし)の眠る御墓です。高い場所にあるので、「高御墓」と呼ばれたそうです。また、崖の洞窟を利用した崖葬墓(がけそうばか)といわれ、歴史的に古い形式のお墓だといわれているそうです。

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散策も終盤になりました、次に向かう先は、英祖王の拝所です。英祖王の拝所へ向かう道すがら、ふと横に目をやると、道路壁面をいっぱいに使って製作された「綱引モニュメント」を発見。かつて伊祖のまちでは、稲作農家の稲わらを集めて綱を作り、豊作を祈って綱引き行事を行っていたそうです。終戦後間もない時期に中断してしまいましたが、2015年11月に57年ぶりに復活。再び毎年の恒例行事として定着することが期待されています。

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「英祖王拝所」。英祖王一族を祀った伊祖集落草分けの「根屋(「ニーヤー」=ムラの創始者の家のこと)」です。現在は英祖王の子孫にあたると言われている安里門中によって維持・管理されており、その安里門中の本家にいるのが、いま案内してくれている安里さんなのです。拝所はパイプライン沿いのよく目立つ場所に建ち、「一般の方でも参拝は自由ですよ」とのことです。

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拝所内に入ると、正面の神棚には、英祖王や父親の恵祖世主(えそのゆふぬし)ら5人の位牌が並び、一族のヒヌカン(火の神)も祀られています。古くからの年中行事をはじめ、伊祖で催しを行う際には必ず、ここで拝みを行うしきたりがあります。私たちまちまーい参加者も、小さく頭を下げて「伊祖のまちを見学させていただきました、ありがとうございます。」と報告しました。

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汗をふきふき伊祖公民館に到着すると、待っていたのは、知る人ぞ知る名物の「イージュ(伊祖)てんぷら」。小麦粉にニラを混ぜて揚げただけのシンプルな料理ですが、おやつにもお酒のつまみにもぴったりの味加減と食べ応え。この日は特別に天ぷら上手の渡名喜さんが腕をふるってくれました。「この天ぷらは戦前から、伊祖の女性たちが手に入る材料で作り、売り歩いていたという伊祖の名物なんですよ。今日は特別にニンジンも入れています」と渡名喜さん。ちなみに、この天ぷらは毎月第3水曜日に伊祖公民館で作っているそうなので、食べてみたい方は、その日をねらってまちまーいするのもよいかもしれません。古くから人びとが暮らす集落のまち並みをゆったりと行き、そこに今も受け継がれている風景や文化、そして人と触れ合うひととき。まちの歴史を知る楽しさと人の優しさを感じる、まちまーいなのでした。

 

催行日 要相談
出発時間 要相談
所要時間 90分
参加料金 お一人様 大人 2,000円  小人(小学生)1,000円
集合場所 伊祖公民館
定員 2名〜10名まで
ご予約 要相談
主催 浦添市観光協会
お問い合わせ

電話:098-874-0145
時間:9:00〜18:00 (土・日・祝日休み)

 

地図

伊祖公民館

※この記事はに作成されました。公開時点から変更になっている場合がありますのでご了承ください。

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