国立劇場おきなわバックステージツアー&夏休み親子劇場探検ツアー

公開日 2014/08/29

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親子で楽しく舞台の裏側を探検!

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国立劇場おきなわでは、夏休みに「バックステージツアー&親子劇場探検ツアー」を開催しており、今年は7月30日~31日(親子・一般向け)に予定されてます。毎年人気だというこのツアーに参加してみました!ツアー当日の朝、ロビーには親子連れをはじめたくさんの参加者が集まって賑やかです。「劇場の中では、朝でも夜でも挨拶は『おはようございます』なんですよ」というスタッフの説明に、みんなで元気よく「おはようございます!」と挨拶。

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組踊の歴史や劇場について説明を受けた後、まずは舞台設備の体験です。舞台の上では、本物の舞台スタッフが音響や照明、盆回しなどについて説明してくれました。照明コーナーには、たくさんの照明器具が並んでいます。それぞれコンピュータを使って動かすことができ、ボタンを押すと、花や雷など、いろいろな模様の光が壁に映し出されます。雲の模様の照明は、スイッチを入れるとゆっくり横に動き出します。こうやって、空に雲が流れていく様子を表現するんですね。

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音響コーナーでは、コンピュータを使って雷の音や音楽など、さまざまな音を流します。コンピュータだけでなく道具を使うこともあり、豆を入れた大きな四角いザルを人が動かし、「ザザーッ、ザザーッ」と波の音を作ります。「コンピュータは使わないのですか?」と参加者が質問すると、「大きな波音など、演者の動きに合わせてタイミングよく出すためには、人がやるのが一番なんですよ」との答えに、みんな納得。うちわの表面にたくさんの玉を糸で付けた道具は、雨のシーンで使います。うちわを動かす速度を変えることによって、パラパラ降る小雨から大雨まで表現でき、「本当に雨が降っているみたい!」とみんなビックリ。他にも蛙や鳥の鳴き声など、いろいろな音を作り出す道具がたくさんあり、みんなも道具を触って効果音作りに挑戦!道具のほとんどがスタッフの手作りで、どうしたら本物の音のように聞こえるか工夫を凝らしているそうです。

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大掛かりな仕掛け盆回しを体験。舞台の上にある大きな丸い板の上に立っていると、合図と共にゆっくりと板が回り出します。その後、舞台の下に移動すると、盆周りの裏側を見ることができました。人の身長よりはるかに高く、大きな装置にみんな驚いた様子。舞台の下は思っていたよりも広く、舞台に使う鐘や風景、木や岩など、さまざまな大道具が置かれていました。

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ここは、背景などの大道具を作る場所です。ちょうど紅葉を作っているところを見学できました。紅葉の形に切った紙に微妙な色合いの変化をつけながら、一枚ずつ丁寧に色を塗っているそうです。客席からは見えない細かいところも、スタッフは手を抜かずに作っているんですね。

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ここは役者のみなさんが使う楽屋です。大部屋にはたくさんの鏡がずらりと並んでいます。楽屋の側にはお風呂もあり、舞台が終わった後、役者のみなさんがここで汗を流すそうです。「将来、俳優さんやアイドルになりたい子は、もしかしたらこの楽屋を使うようになるかもしれないね」というスタッフの言葉に、子どもたちは目を輝かせていました。

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バックステージツアーの締めくくりは、花道体験。音楽を流すタイミングを音響スタッフに指示する役と幕を上げる役もツアーに参加した子どもたちが担当します。「キュー」の合図と共に幕が開き、劇場内に音楽が流れ始めました。スポットライトを浴びて、意気揚々と花道を歩くみなさん。那覇市からお母さんと一緒に参加した島袋日和ちゃん(4歳)は、「まるでスターになったみたい!」とノリノリで、ばっちりポーズを決めてくれました。最後に首里城の舞台セットをバックに、みんなで記念撮影。普段は見ることができないバックステージの見学を満喫できたようです。

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施設体験の後は、実演家によるワークショップです。「組踊体験」「うちなーぐち講座」「組踊メイク体験」の3つの中から、好きなコースを選んで参加できます。「うちなーぐち体験」では、「おはようございます」や「こんにちは」「いただきます」などの日常会話や自己紹介をうちなーぐちでチャレンジ!普段はなかなか使う機会が少ないうちなーぐちに、みんな四苦八苦。でも講座の最後には、「はいさい、御衆様今日拝なびら」と、うちなーぐちでスラスラと言えるようになっていましたよ。

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「組踊体験」では、組踊の歴史や創始者である玉城朝薫についての説明、舞台で使う衣装や道具について紹介した後、組踊「女物狂」を体験します。「女物狂」は子どもを誘拐された母親の話です。先生の後に続いて台詞の練習をしたのですが、組踊独特の台詞の言い回しやうちなーぐちにみんな苦労したようで、家族で参加した石田花乃ちゃん(9歳)と柚也くん(4歳)は、「みんなで台詞を言うところが難しかったけど、楽しかったです」と感想を話してくれました。上手に台詞が言えるようになったら、所作を練習します。組踊では表情に大きな変化はありませんが、首を傾げたり、しゃがんだり、ちょっとした動きにそれぞれ意味があるそうです。所作の意味を知ると、実際の舞台をより楽しめそうですね。

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今回初めて登場したワークショップ「組踊メイク講座」では、本物のメイクスタッフが参加者に化粧をしてくれます。組踊の代表的な化粧は「女役」「男役」「若衆役」「あまおへ役」の4つ。北谷町から参加した宮平美沙さん(中学2年)は、若衆役のメイクにチャレンジ。「とても化粧映えする顔立ちで、凛々しくなりましたね」とみんなに褒められた美沙さんは、「なんだか恥ずかしい」と照れた表情。沖縄芸能について学んでいるという下地優貴子さん(大学3年)は、女役のメイク。若衆役は眉を太く描くのに比べ、女役は細い眉にクッキリとしたアイラインを入れます。初めて組踊のメイクを体験した2人は、「なんだか自分じゃないみたい」と言いながら、まじまじと鏡を覗きこんでいました。

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普段見ることができない舞台裏を見学できたり、組踊に関するさまざまな体験ができるこのツアーは、大人から子どもまで大好評。また、若者に伝統芸能への興味・関心を高めてもらうために、浦添高校・コザ高校・読谷高校から22人のボランティアの学生たちが参加しました。この日お手伝いに来ていた浦添高校の松尾栞里さんと安部真子さんは、「こんなに近くにあるのに、実は初めて国立劇場おきなわに来ました。貴重な舞台裏を見れたのが面白かったですし、組踊について知ることができて良かったです」と、満足そうに話してくれました。国立劇場おきなわでは、バックステージツアーの他にもさまざまな体験企画を開催しています。劇場のホームページでも告知・募集していますので、ぜひチェックして、今度はみなさんも参加してみてくださいね。

 

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